先日、仕事の下準備も兼ねて、日本における体毛に対しての意見を検索していると「女性のムダ毛で男性が一番がっかりするのは?」「男が萎えた女子のムダ毛」「女性のムダ毛の剃り残し、どこが一番気になる?」などのアンケート記事を目にした。
「彼女が剛毛なのが気になった」
「目立つ場所の除毛を怠っている子はガサツ」
「女の子なのに脇毛とか足の毛を剃り残しているのは無理」
「清潔感がない」
「彼氏と会う時くらいちゃんと綺麗にしてほしい」
など様々な意見が挙げられていた。
あるアンケートでも、8割の男性が「女性にはムダ毛を処理してほしい」と回答していた。「だらしない」「女子力が低い」など色々な理由で、女性のボディヘアを否定している意見が多く、自然に体に生える毛をムダ毛と認識している上に、処理をしない事をこれほどネガティブに捉える人達がいるのか、と驚いた。
私はよく「男性だって体毛は生えているのに、何故日本では女性は体毛処理をするべきだと思われているんだろう?」と考えるのだが、これは体毛に限らず、アメリカで「他人は他人、自分は自分」「したいことをすればいい」と言う考え方の中過ごしているため、比較して疑問視することだと思う。最近アメリカでは特にオープンになっていて、私の大学でも体毛に関して肯定的な意見を持ち、除毛は一個人の自由とされて「処理していても、していなくてもいい」と言う考え方を、多くの生徒たちが持っている。
私も同じ考えで、友人や家族にも「体毛処理は一個人の自由」と伝えている。私自身、脇毛以外の体毛処理はしていないし、脇毛さえも気分で剃るか決めている。前まではそう言うのも恥ずかしく感じていたが、ある出来事を境にそう思わなくなった。
高校3年生の夏に、仲の良い友達の家で寛いでいると、彼女がノースリーブを着ているのに脇毛を処理していないことに気づいた。興味本位で「脇毛とか体毛剃らないって恥ずかしくない?」と聞くと、「恥ずかしくなんかないよ、私はこのまんまの自分の体好きだもん」と返ってきて「あっ、そう言う考え方もあるのか」と、自分の体を受け入れて、ボディポジティブな考え方を取り入れようと思った。
でも残念ながら日本の広告や宣伝、ネットのアンケートなどを見ていると、どうも自分の体を好きなように出来ないことに気づいた。テレビで女性芸能人が「ムダ毛とか生えてるの嫌じゃないですか〜」と影響力のある立場で発言し、女性の体に関することで男性の声が未だに重要視されてる、と言うのが日常だと、アメリカや海外の「他人と違っても、自分の好きなように生きて何が悪いの?」と言う考え方は、初めは衝撃を受けるかもしれない。
夏になると海に行ったり水着を着たり、肌を見せる機会が増える。その分体型を見られる回数や、体に関するコンプレックスを意識することも増えて、憂鬱になったり…メンタルヘルスに影響を及ぼすこともある。
特に「男性はボディヘアを気にせず男らしく」「女性は清潔感を保ちムダ毛0」と言う古い考えが根強く残っていてる中、周りと違うことをしたり、批判を無視して好きなように生きるのは難しいかもしれない。でも、少しづつでもいいからしたいことをしたり、周りを気にせず自分を優先することは、明日からでも取り入れられるセルフラブの方法だと言うことを忘れないでほしい。
ボディヘアが嫌な人は性別関係なく処理すればいいし、気にならない人はそのままでいい。
自分の身体なのだから自分が過ごしやすい様に、「女性なのだから」「男性なのだから」と二分化せず、ジェンダー関係なしに、誰もが生きたいように生きれる世の中に。私たち一人一人が、日本における各々の選択が尊重されるような社会作りに、様々な意見と触れ合えるように発信をしていこう。
私の体は私のもの。
あなたの体はあなたのもの。
自分の体のことは、自分が決める。
決めるのは私。決めるのはあなた。
『I Love Myself』は…
日本がもっとインクルーシブ(包摂的)になるように。
誰もが自分の好きなように、自分に素直に生きれるように。
そして何よりも、ありのままの自分を愛せるように。
という様々な願いが込められているシリーズです。
グラフィック Ayumi White