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  • Himawari Murano

新しい場所にいる君へ


今年ももう夏がくる。


この時期は4月に新しい環境に身をおいた人たちが、ようやく、少しずつ環境に慣れていく時期だと思う。と同時に、結構バランスが崩れやすい時期でもある気がしている。


心地いい時間って、あなたにとってどんな時ですか?


私は、慣れ親しんだ友達とお酒を飲んだり、みんなでワイワイすることも好きな一方、お気に入りの喫茶店でぼ〜っとジャーナリングをしたり、読書をする時間も好きです。


新しい環境になり中々そんな時間が作れない時は、私は自分らしさというものが何か分からなくなることがあります。


例えば、就職や転校、留学などで新しい土地や環境に行くことや、落ち着く故郷や人との別れ。自分がアウェイな場所に飛び込む時などといった新しい自分になろうとする時、やっぱり慣れるまで気も張るし疲れやすい。


日本では5月病という言葉があるくらい、この時期はダウンする人が多いと言われている。


私は今まで10回以上の引っ越しを繰り返してきて、環境が何度も変わってきた。


そしてその度に毎回少し落ち込む。

落ち込まなかったことがない。慣れるまで疲れるのだ。


同じ国だったとしても、その地域によって人柄も常識も、街の雰囲気だって全然違ってきた。


その度に大きな変化を感じつつも、ゆっくりと、少しずつ自分の身体に馴染ませた。

以前の環境が恋しくなることも沢山あったけど、今まで住んできたそれぞれの場所で私のパーソナリティは作られた。そして、すべての場所が私にとって心地のいいHOMEとなった。


それでも、心地のいい時間を取れないことで自分らしさがわからなくなる気持ちと、新しい心境との微妙なズレから、以前よりも自分のスキルが落ちてしまった様な気分になり、自信を失くすことがある。


でもそれは決して消えてしまったり、以前よりも衰えてしまったのではなく、新しいものに形成されていく途中なんだと思う。


留学していた時も、SNSでは楽しくみせていた。だけど実際は日本が恋しく、毎日よく泣いていた。友達がいなくて英語も全然話せなかった当時、太陽の照りつける気持ちのいい気候が、自分の気持ちをずっと虚しく感じさせた。


それでも振り返ってみた時、その場所で学んだ価値観や観た景色、人との出逢いを天秤にかけた時、失敗や後悔を沢山しても、お金をたくさん使ったとしても、自分にとっては行くべき場所だったと心から思っている。


そうこうしていると、気がつけば友達も増えて落ち着く場所も増えた。

そしてどこへでも一人で行ける自信がついた。

あんなに苦手意識があった英語も、平気になった。相変わらず色々と住みにくいままだったけど、結果的にその場所も私にとって生きやすい場所となる。


あれだけ恋しいと感じていた以前の環境よりも、今の環境の方が落ち着いて感じるようになるのは、やっぱり変わっていっているということなのだ。


このように、今までにも転職や何か大きな決断をする時などのシーンなど、さまざまな場所で成功体験を積んでいくことや、自分にとっては怖くて足がすくむようなことに向かっていったことで出会えた人や、新しい価値観があった。


それを選んだことによって、人との別れや何かを捨てなければいけない時もあった。

「変わったね」「前の方がよかった」と言われることだってあるかもしれない。

それでも、心の自然な欲求や、違和感を思考で止めずに自分の感覚のまま真っ直ぐに進んだ先には、きっと自分の感覚を、理解し、肯定してくれる人たちと出会える気がしている。

なぜなら今までもそうだったから。


だからこそ、新しい環境に中々慣れずに落ち込んでしまう自分の性格を分かっていたとしても、これまでのHOMEに戻る選択肢がないのは、どこかしらで求めている新しい可能性やワクワクをまだまだ増やしていきたいからだと思う。


以前、『辛いことがあってもやがて人間は慣れていく様にできてるのよ』とカッコいいマダムが言っていたのを思い出す。だから大丈夫なようにできている…らしい。


状況は違えど、恐怖芯から足がすくむ瞬間は何度だってある。


例えば、タブーなことを話したり、状況を改善するために否定や主張をする時も勇気がいる。


私はうつ病だったことをカミングアウトしたことや、身近な人に政治的な話をしたり自分のことをフェミニストだと伝えたことも勇気が必要だった。こういう赤裸々な気持ちを文章にしてSNSに投稿することも怖かった。


でも、それに怖いと感じるということは、何かを良い方向に変えたいと求めている自分がいる。


そうやって私たちは失敗したり、後悔したり、だったら次はこうしようと思えたり、毎日のトライアンドエラーを繰り返して、自分にとっての大切なものや幸せを理解していける様な気がしている。


それでも何かを変えたいと思う時に感じる苦しさの中には、必ず自分にとってやりたいか、やるべきか、必要なものか。という、どこかに自分本位なものが存在しているということが、私には必須条件だ。


これがもしも、誰かの常識や社会のルールのために、などという他人本位からくるものだった時。自分の引っかかりが無く、ナチュラルにはいるものが存在するかどうかを、自分に問いてほしい。


私たちは頑張れる。だけど時に頑張りすぎてしまうことだってあるから。

私たちは、自分ファーストであるべきだということを忘れてはいけない。


その一方で私は自分に甘々できる自分も好きだ。

最近、「私って、ワガママ?」と兄に聞いたら、「逆にそうじゃなかったら、なんなの?」と言われた。

みなさんも、頑張り過ぎないで、ご自愛ですよ。休むことだって自分のためなんです。

時代の流れが早すぎるこの世界で、立ち止まる勇気を持つこともまた、立派な勇気と頑張りです。

甘やかして、アイスばっかり食べても大丈夫。そんな時もあって良い。いつでも取り返せます。生きていたら時間はたくさんあるので。


そういうバランスを取りながら、新しい環境での毎日を遠いところから応援しています。


最後に、私が心地良い時間がとれなくて、『自分らしく』いられなかった時にしていたことを追記してみます。

  • 週に1回、セラピーやコーチングに通うこと

  • 風のあたる涼しいところで、Podcastを聴きながらご飯を食べること

  • 泣ける映画を観て気がすむまで号泣すること

  • ピラティスや、ランニングなどのワークアウトや散歩をすること

  • 自分の落ち着くお店を一つみつけること

  • ジャーナリングで、気がすむまで書き続けること(笑)


…かなぁ。みなさんは何ですか?


幾度となく環境が変わった経験から分かったことは、場所や人に関係なく自分のコンフォートゾーンを知っていると、心のバランスが取れやすいということでした。よければ参考にしてみてね


今月、あなたにとって良い月になりますように!ゆるゆるでいこうね。


ではっ




著者 村野向日葵

編集 岡田笑瑠

グラフィック Claudia MacPhail

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