今年の夏の暑さが和らいだ頃、
私は世界と共に燃え尽きた。
まな板に押し付けられた蝶のように、
自宅が牢獄となり、
普段は憩いの場であるはずの我が家も、
唯一行き来が許される場所となってしまった。
外の世界が以前にも増して、恋しくなった。
冒険や旅行は過去のものとなり、
オリンピックの表彰台に立つ人も、今年はいない。
蝶の儚い一生のように、
私たちが太陽の下で過ごした時間も、瞬く間に終わってしまった。
外の木々は依然として穏やかで、
心の写し絵であった山は、また一つ夢を唄った。
庭には季節と共にやってくる雨の匂いが立ち籠め、
胸の中の花々が、再び芽吹き始めるのを感じた。
繊細な花が心の中にじんわりと咲き広がる。
雨が降らなければ今年の夏は訪れなかっただろうし、
今年の夏がなければ、私の手がこんなに綺麗になることもなかっただろう。
窓の外に目をやると、
蝶が風に舞っているのに気づいた。
私も自分の羽を伸ばし、笑顔になる。
心の中にはまだ、小さな祈りが輝き続けている。
About Diya Kumar
ディヤ・クマールは、18歳のインド人の少女。将来ライターになるために、英語及び西洋音楽と心理学を専攻する予定。ディヤは趣味の一環として日本語も勉強しており、将来日本を一回以上は訪れたいと考えている。
Instagram: @bearcurrysenpai
翻訳 Yuko C. Shimomoto
編集 Emiru Okada
グラフィック Ayumi White