• Rinako Yagi

「それでも私は発言し続ける」




日本国憲法 第21条では言論の自由が保障されている。


しかし、私はある時からずっと「生き苦しさ」を感じていた。

おかしいと思ったことをおかしいと発言できない空気だ。


昔の私は「日本は平和で、問題が少ない最高の国」と思っていた。新しくできたカフェや服、学校の課題、好きな人についての話で友人と盛り上がることが多かった。


しかし、留学で私と同年代の人が日常茶飯事に、政治や社会問題を議論していた光景を見てから、はたと気づいた。私は問題から目を背けて、知らないふりをしていたのだと。

それから必死に他の人に追いつこうと頑張った。新聞を読んだり、人に話を聞いたり、論文を読んだり、意見を発信したり。その頃から、社会問題や政治を知り、議論することが趣味になった。私はそれが楽しくて、愛おしかった。


帰国するとその趣味が厄介となった。日本で仲の良かった友人に、日本社会の男女不平等さを話すと「意識が高い」と言われ、距離を置かれたことにショックを受けた。私にとっての拠り所だった人にも「議論しても無駄でうるさいだけ」と言われ、嫌な顔をされた。いつしか私は自分の口にマスクをし、相手の目を気にするようになった。目立たないように、声をひっそりと静めた。その方が周りに害を与えないし、自分も傷つかないと当時は考えていた。


でも2019年の香港の民主化運動で同年代の人が抗議をしているニュースを見た時、胸が熱くなり私の口が勝手に動いた。それ以降、香港の民主化運動、日本のジェンダー問題、コロナ対策、投票率、若者の政治離れ、環境問題、メンタルの維持方法など親しい人と積極的に話すようになった。私の心が生き返り、自分を取り戻した気分だった。


今も意見の発信を続けている。周囲からの評価の不安でいっぱいになる時もある。まだ意見発信やデモ参加、署名活動など、自分がしている活動を共有することを躊躇し、マスクをしようとする自分がいる。


しかし、自分が正しいと思うことを続けてみたいと思う。その方が自分を好きになれるから。その方が社会が良くなると信じているから。


コロナでマスクを付けることが日常化したが、私の考えはマスクを外し、おかしいと思ったことを発信し、行動したいと思う。異様な空気を持つ日本社会に立ち向かおうと思う。今も。これからも。





About 八木利奈子

学生の八木利奈子です。 私は「社会問題を好きな私」が好きでもあり、嫌いでもあります。いざおかしいと感じたことを発言すると周りから、異質にみられ距離を置かれるからです。その一方で、気持ちを押し殺しておかしいと発言しなかった時、自分の中にモヤモヤが残り「私の考えっておかしいのかな」と思い、心が重くなります。「我慢するのが当たり前」とアドバイスをもらったこともありますが、今は「社会問題を議論することが好きな私」を大切にし、その自分と向き合いたいと思います


Instagram: @rina_roo_1014



グラフィック Ayumi White

編集 Emiru Okada

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