洋服は社会に存在するステレオタイプを示すことがよくある。男性、もしくは女性であることがそれぞれのジェンダーの見た目と強く関係しているからだ。例えば、特定のジェンダーに関連付けされた色がある。赤ちゃんの洋服を買う時に、青色は男の子、ピンク色は女の子という風にされがちだ。一見すると害が無いように感じるが、ジェンダーに基づくファッションは、社会に順応するためにどのような服を着るべきか、という考えを強めてしまう。
フェミニンな服を好んで着る男性は、周りの人から心無い言葉やヘイトスピーチを受けたりすることがある。
アジェンダー(無性)を自認するカリフォルニア在住のある若者は、クラスメイトに同性愛者と間違えられた後、スカートに火を点けられ3週間入院した。また別の高校生は、乳がん啓発月間にピンクのチュチュを着て登校したことで「暴動を扇動しようとしている」と停学処分を受けた。アメリカのラッパー、歌手、そしてソングライターのヤング・サグは12歳の時に、兄妹のグリッターの付いた靴を履いて学校に行こうとすると父親に殴られたことがある、と話していた。男性が女性的な服装を着ることに対してのスティグマは未だに根強く、多くの男性が周りの目を恐れて自分自身を表現することの妨げになっている。
反対に、女性は社会的に女性らしいとみなされた洋服を着る、というプレッシャーが存在している。男性的な装いや振る舞いをする女性は、ジェンダーの従来の習慣に従わない人としてスティグマの対象にされることがある。
「私がスポーツが好きでスポーティーな服やダボっとしたズボンを着ていることは、私がよくゲイだと周りの人に思われることと強く関係しているようだ。」そう話すのはライアソン大学建築学部1年生で女子サッカーチームに所属しているブルック・ピアソン。男性らしい洋服を着る女性がレズビアンとしてステレオタイプ化されるのは、ジェンダーの規範を破るということが未だに否定的に見られることが多く、その人のセクシュアリティと関連付けて考えられるからだ。
世界保健機関(WHO)によると、ジェンダーとは社会的に作られる特質のことをいい、女性、男性、女子、男子などのカテゴリーを形成する。ジェンダーは社会的概念なので、地域によって異なるのはもちろん時間とともに変化することもある。
人間を男性か女性に分けるという考えは、西洋の文化と深く関係しているが、研究によると生物学的な性もジェンダーも二元論ではない。なので、なぜ洋服を二元論的に考える必要があるのだろうか。
Message from the writer:
この記事は、社会に潜む問題に対して人々の意識を向上させる団体に応募するために書いたものです。私も自分なりの方法で、みなさんと問題意識の共有が出来ればと思っています。
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翻訳 Mutsumi Ogaki
編集 Emiru Okada
グラフィック Emily Mogami