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  • Mia Glass

ジェンダーニュートラルな世界を作るには制服から


高校生の時毎朝クローゼットを開けて、ハンガーに掛けられたワイシャツとプリーツスカートを眺めていました。白、紺、またはカーキ色の中から、その日のファッションを決めるために。


制服が好きだったことは一度もありません。面白さがない見た目に加えて、色の選択肢が少ないことに対して苛立ちを隠せなかった私は、どこか息苦しさを感じていました。稀に「ドレスダウンデー」があった時でさえ、ダメージジーンズ、タンクトップ、ミッドリフ丈、短パンなどが禁止という厳しいルールがあったのです。しかもそれは服だけではありませんでした。髪の毛も自然色ではない限り染めてはいけませんでした。そのため私の唯一の選択肢は、髪をブロンドにすることでした。

当時、私はこれらの規則が女子生徒を特にターゲットしているように感じて、少し不満を抱いていました。男子はローカットシャツや短いスカート丈で先生に怒鳴られることはありませんでした。でも考えれば考えるほど、これらのルールはフェミニズムを損なうだけではなく、より危険なジェンダーの役割を高めてしまうことに気づいたのです。果たしてハリー・スタイルズはネイルをしたことやドレスを着たことで、教務室に呼ばれていたでしょうか?男子生徒がスカートを履くことに対してルールが無かったのは、多くの人がそれは考えられないと思っていたからでしょう。


そして私が高校3年生になった時、通っていた学校がドレスコードを「ジェンダーニュートラル」にしました。みんな同じ規則を守らなくてはいけなくなった為、男性用・女性用とルールが分けられていませんでした。以前は規則として、男子生徒の髪の毛は襟よりも短くなければならないと記載されていたのも、今ではみんな伸ばし放題。もし男子生徒がスカートで登校したならば、私と同じように「指先丈」を守らなければいけなくなりました。郊外にある保守的だった高校にとってこれらはとても大きな進歩で、私はこの改革を高く評価した数少ない中の一人だったのかもしれません。しかし、これは間違いなく将来、この学校に通う高校生たちにとっての前例となりました。いつか誰かが私やクラスメイトが長い間従ってきた規則に反対する時が来たら、新しく導入された規則くらい寛大に受け入れてくれることを私は心から願うばかりです。

私の些細な高校生活について話そうと思った理由は、今これが国際問題へと発展しているからです。先日見つけた記事には、日本人の学生たちがよりジェンダーニュートラルなドレスコードを作ろうとしていることが掲載されていました。日本の多くの女子生徒が「冬の制服」としてしかズボンを着てはいけない中、私はズボンを制服として着たい時に着れていたことが、いかに恵まれていたのかを改めて実感することができました。いくつかの学校ではこのような選択肢さえ与えられておらず、それに加えて、ドレスコードが私の高校より厳しくなっています。男子生徒が女子用の制服で登校するのはさておき、日本では性別が厳しく分けられている傾向が見られます。


制服から性別をなくすことは日本、アメリカ、そして他国でも行われるべきです。最近では自己紹介をする時に、私の代名詞(she/her)を伝えるようにしています。日本ではジェンダーニュートラルな会話を比較的簡単にできますが、今では多くの人が知っておくべきジェンダーや代名詞が多く存在しています。自分自身のジェンダーを把握しようとする過程で起こり得るアイデンティティーの問題に加えて、学生たちは登校する服装でまで悩みを抱える必要はありません。学校が多様で包括的であるためには、生徒が最大限に自己表現できる必要があります。




翻訳 Yulia Ikumi

グラフィック Ayumi White

編集 Emiru Okada

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