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  • Meg Hoffmann

Haruka Shonoに聞く:ジェンダーレスファッションの次世代を築く


彼女はミダスの手*を持っている。彼女が造るものは全て黄金となる。



去年の11月に仕事で東京に行った際、私はまだ学生であまりお金が無いため友人の家に泊まらせてもらった。


2人で過ごした1週間、東京のはずれにある彼女のワンルームマンションの床に座ってお茶を飲み、彼女は布を切り刻み、私は仕事のメールに返信していた。


何かを作る。とにかく作り続けなきゃいけないという息苦しいぐらい強いパッション について熱く語りあった。


新型コロナウィルス感染拡大によって多くの大学生と同じように私たちの進路にも影響が出たため、戸惑い、混乱していた。この孤独と孤立な時代に、私たちの唯一の生きがいとなっているのは夢と希望だ。


ちょうど私が東京にいた頃、blossom the mediaの設立を考えていた。いろんなアーティストをインタビューして、芸術×社会問題について発信したいという思いが強まった。最初にインタビューするのは絶対にはるかだと決めていた。彼女とは私が中学生からの仲で、その頃から私にとって大きなインスピレーションだ。



About Haruka

はるかは現在多摩美術大学生産デザイン学科のテキスタイルデザイン専攻の3年生。彼女とは8年前からのお付き合いだが、今回初めて彼女が美大生、ファッションデザイナー、イノベーターとして活躍する姿を見ることができた。

はるかは大阪で生まれ、生後5ヶ月の時にカナダに移住した。カナダとアメリカで12年間過ごしてから中学生の時に日本に帰国した。アメリカのインディアナ州で住んでいた時、人口のほとんどが白人の町で、ごく少数のアジア人の1人として生活していた。マイノリティとしての生活を送る上で、彼女は必死に白人コミュニティに馴染もうとした。アバクロ(Abercrombie)の服、UGGのブーツ、左手にはスターバックスラテを持って、典型的な「白人」になりきろうとしていた。


長い間彼女は自分の「アイデンティティ」を見失い、自分が目立たないように

人の影に隠れていた。


日本に帰ってきてインターナショナルスクールに通うようになってようやくはるかは自分の個性を見つけることができた。


ファッションとデザインへのパッションのきっかけになったのは高校生の時に書いた日本人女性の社会進出についての作文だった。クリエイター、アーティストとしての自分の才能を活かして女性の社会進出にどのように貢献できるのかということを考えるようになった。服というのはただ着用するものだけではなく、自分の価値観や芸術的表現を体現するもの。ファッションは未だに性別によって大きく分けられている。しかし、はるかはこのような固定概念を覆し、男女平等から生まれる女性のエンパワーメントに貢献したいと考えている。



好きなデザイナーは?

Alessandro Michele.


2019年のクリスマスに、はるかはお父さんとグッチの店に入った。カードケースを見ていたらお父さんに「これは男っぽいね」と言われた。するとスタッフの方がすぐに「私たちの商品は性別によって分けられていません」と言った。全ての商品はどのジェンダーの人にも使われるんだ、と。


「アレッサンドロ・ミケーレはジェンダー・ニュートラルファッションを当たり前のようにしている。」とはるかは教えてくれた。


お父さんと一緒にグッチの店に入った経験を通してジェンダーレスファッションはまだまだ日本の社会に浸透していないことを感じたという。


プロジェクトに取り組んでいる時、

意識していることは?

「何を作るにあたっても、いつも頭の中で目標を決めてから制作している。私の作ったもの全てはジェンダーに関するトピックに関連していて、いつもいろんなことにチャンレンジしながらデザインを作り上げています。様々な素材や繊維を使うことによってどのようなアイディアを作品に反映できるのかなどを考えている。」


「テキスタイルデザインを専攻することによって私が気づいたことは、真っ白な素材から服を作り始める時、その生地にはなんのジェンダーの固定概念も付いていない。「男性っぽい服」、「女性っぽい服」を作りあげることによってそのようなジェンダーの境目が生まれてしまう。私はこれからもいろんな生地やデザインと試行することによってジェンダーの境目の無い、新しいファッションを生み出したいと思う。」


「ジェンダーの境目の無い、新しいファッションを生み出したい」


そして最後におまけの質問!はるかの作品を観賞しながらみんなに聴いてほしい曲は?

Foster the People の “Pumped Up Kicks!” パワフルな曲だし、不安がなく居心地がよい状態から抜け出していろんなことにチャレンジしようという気分にさせてくれるから!



*ギリシャ神話のミダス王は触ったものをすべて黄金に変える力があるとされていた



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翻訳 Meg NH

編集 Mutsumi Ogaki

写真 Meg NH



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