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  • 市嶋温日

私は私で、あなたはあなただから、それで大丈夫


一昨年の秋に、私はある精神障害と診断された。


正直心の病と付き合っていくのはとてもハードで、まず第一に、何が自分に起きたかを周りに話すことへのスティグマを乗り越えるのが大変だった。


幸運なことに、素敵な友人や環境に恵まれていたからとても助けられたけれど、それ以前に自分の状態が信じられなくて、信じたくなくて、自分をひどく傷つけてしまっていた。


そして去年の6月、私は恐ろしい経験をした。


重いうつ状態になり、耳鳴りや不眠などもひどくなっていって、呼吸することすら疲れて、息苦しくて、ただただ泣いて無力になって… みたいな日々。


それからこの時期は、社会に対する不安がとにかく大きくなっていった。この1年の間に、ジェンダー問題や人種差別などの社会問題、気候変動、畜産問題など、沢山の情報を一気に学んだので(心の調子がいいときは、こういったことを勉強するようにしていた)、たぶん頭がショートしてしまったのだと思う。調子がいい時でも散歩をしていると、たまに目に入ってくる全てのものに恐ろしさを感じてしまって、この2ヶ月の間、心の中で自分と周りをたくさん非難した。実際に身近な人に対して、直接激しく責めてしまったりもした。


その間、自分はおろか家族さえ、誰のことも信じられなくなっていた。


そんなひどい状態が7月まで続き、私はもうキャパオーバーで、何かの境界を越えそうになってしまった。人は下がりようのないほどどん底までいくと、ボールみたいに跳ね返って、どこかへ飛んでいくことがあるのかもしれない。


なんとなく、アメリカの著名な精神科医による認知療法マニュアルを図書館から借りて読み始め、ふと思い立って、日の出前に早起きをして少し遠くの海に向かった。


自分の足で歩いて、自然に触れた。人の温かさや愛に触れた。

その間は、自分がこれまで感じていた孤独や自己憐憫から解放され、代わりにどれだけ素敵なことで溢れているか、どれだけ恵まれているかに目を向けることができた。


自分を無理やり好きになれなくても、許してあげることはできる。人によってタイミングは違っていて、成長したいと思っていること、それだけで十分なんだ。


ありのままの自分を責め続ける必要なんてない。だからきっと大丈夫。これからも、私は私のペースで、大切にしたいと思うものを心いっぱい愛していけばいい。そうして、穏やかに暮らすこと。それだけが今のわたしの目標であり、幸せ。



About the writer

こんにちは。私の名前は温日です。日本で生まれ育ち、ずっと日本で暮らしてきました。生まれてきてからの19年間、メンタルヘルスについての教育を十分に受けた、と自信を持って言うことはできません。家庭環境や社会的ステータス、人種、ジェンダー、さまざまな理由から悩みを抱え、どう対処したらいいのか分からず苦しんでいる同世代がきっと沢山いるのではないかと思い、自分の経験をシェアしてみました。私の、拙いけれど心からの言葉が、少しでもあなたのそばに寄り添えますように。



編集 Emiru Okada

グラフィック Maya P. Kubota

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