• Mia Glass

The Mixed Experience in Japan (日本語)


「日本でハーフとして暮らすってどういうことなのだろう」と私はよく疑問に思う。多くのミックスの人は、自国にいる時ですら外国人のように感じることがあるでしょう。お箸の代わりにフォークを渡されたり、完璧な日本語で話しているのに英語で返されたり、意味もなく駅でじろじろ見られたり。そういったいろいろな小さな経験が積み重なっていく。しかし、今でも私が特に覚えているのは、小学校での出来事。


日本の学校は夏休みの始まりがアメリカより遅いので、私は小学校の頃毎年7月に東京の公立学校に通っていた。私が体験入学した学校では、その日の日直が次の日の当番を決めていた。ある日、同じクラスで新しくできた友達が、「明日は美亜ちゃん日直やる?」と優しく聞いてくれた。


しかし、その時違うクラスメートが私の代わりに返事をした。「どうして日本人でもない子が日直当番やるの。できるわけないじゃん。


その子の言葉を、私は今でもずっと頭の中で考え続けている。なぜハーフで日本語も話せる私が「起立、礼、着席」も言えないぐらい違う生き物だと思われているのか、当時の小学生の自分は混乱でいっぱいだった。今、大学生になり、これは珍しいできごとではなく、日本に住んでいるミックスの人には日常的な経験だと分かってきた。


ミックスの人々もスポーツを通して分かり合えるというポジティブなメッセージを、最近ナイキはコマーシャルで伝えた。私は白人とのハーフとして、ナイキが黒人とのミックスや在日の女の子を選んだことに心が温まった。ミックスと聞いて、一般的にメディアで多く取り上げられている白人と日本人とのハーフでだが、あえて様々なルーツを持つミックスの人々を見せたことで、ナイキは多くの日本人が自分でも気がついていなかった社会的問題に焦点を当てた。


このコマーシャルは、差別のない未来像を示すもののはずでしたが、公開後すぐ議論を巻き起こした。日本のツイッターでは批判的なコメントがあふれ、表に出ていなかった差別や、このような動画が実際に必要とされていることを逆に浮き彫りにた。日本に人種差別はないという人もいれば、ナイキの商品はもう買わないと宣言する人までいた。


現在この動画には92000件の高評価がつけられている一方、7万件もの低評価もつけられている。政治学を専攻する皮肉屋の私としては、後者に注目したいところですが、日直になれないと言われた小学生の私は高評価に目を向けたい。ハーフでいることを考えると、あらゆる差別が思い起こされるけれど、このナイキのコマーシャルに励まされる瞬間こそが、日本でのミックスとしての経験を意味あるものにする。たとえ何か嫌な思いをすることがあっても、その裏には日本人でいることを誇りに思えるような、小さな親切も常にあったからだ。


今でも東京に行く度に会う仲のいい友達には、体験入学をした小学校で出会った仲間がいる。他の生徒と変わりなく接してくれた先生もいましたし(授業中にトイレに行ってはダメでした)、交通整理のおばさんは毎朝元気に「おはよう!」と挨拶してくれました。校庭で競走した時に応援してくれた友達もいたし、わざわざ早起きして、まだ通学路がよくわからない私の道案内をしてくれたクラスメートもいました。こういったできごとや、ナイキのコマーシャルやネットで自分のような人々を見ると、日本も変わっているのだと希望を持てます。小さい時の私、そして日本で育つミックスの子供達に、できる限り大きな声で「起立」と叫んでほしいです —Just Do It!



翻訳 Mia Glass & Yulia Ikumi

編集 Meg NH

イラスト Ayumi White