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  • Luna

さなぎから蝶へ 変態はゆっくりと、突然に


2020年3月

さなぎの殻の中は、真っ暗だった。

ただ怖くて動こうともしなかった。


2021年11月

セラピーに通い始める。


2022年3月

いっこうに良くならない…。

目の前の狭い暗い景色は変わらず、変化が生じているのかもよく分からない。

自分がしていることは、本当に意味があるの?


2022年6月

少し自分の中で変化が見られるようになってきた。

蝶は幼虫から蝶に変態する過程で、さなぎになる時一度ドロドロの液体になるらしい。私も自分の一部が溶けていくのを感じていた。ずっと身体を動けなくしていた緊張が、少しずつ解れていく。


2022年8月

緊張は私のためにいい事をしてこなかった。

むしろ悪者のはずなのに共に時を過ごしていたせいか、なかなか完全には別れを告げられない。どうしたら完全に溶けて次のステップを踏めるものか。


2022年10月

ゆっくりだけど、少しずつ溶けていく。

焦らないで、今の自分の状態を愛そう。


2023年1月

光が見える。別の世界を感じる。

まだ出られないけれど、可能性と希望はいつでも自分の側にあったのだと確信した。


2023年3月

私はついに、蝶となった。

新しい世界はまだ慣れないから、皆のように飛べなくてもいい。

疲れた時はマリーゴールドにとまって、力をもらうの。私は私を愛し続けるの。

「甘いものは摂りすぎたらダメ」って言われるけど、今の私には必要なものだから、遠慮なく密をいただくわ。




「変化」は突然の出来事のようで、それが起こるまで、私たちは何も気がつかないことが多い。心の状態も同じで、セラピーやカウンセリングに通っているのに、なかなか進歩が感じられず、治療費が無駄になっているのではないかと不安だけが募る。


「私に原因があるのか」

「本当は問題なくて、自分で作り出しているだけなのではないか」


ううん、そうじゃない。

より快適な世界へ出るために、あなたはもう十分頑張っているの。


中学生の頃に陸上競技をしていた時、冬のトレーニングは厳しかった。長かった冬が終わり、春の大会のシーズンになった時にようやく、「タイム」として現れる。「結果」という見えるものだけに集中してしまいがちだけど、結果が現れるまでの冬の期間も自分はずっと何か変化を生んでいたのだと気がついた。


見えなくても、きっと変わっているの。

変化が見えないと少し億劫になることもあると思う。そんな力が出ない時は無理しなくてもいいよ。

頑張ろうとしなくてもいいの。


力を無理に使うと「頑張る」がネガティブなことに思えて、余計頑張れなくなってしまうわ。

我を頑なに張らなくてもいいの。

張ったところでそこから動けず、前へ進めなくなってしまうから。


自分がしたいと思えて、できる状態の時に少し自分の限界を超えて「挑戦」するの。自分の背中を押して前へと進むことも、次第に楽しめるようになるから。


休憩をとると周りと比べて自分は怠け者なのではないか、と責めてしまうこともあるよね。でも蜜が必要な時に取らなかったら、あなたは飛べないわ。


身体の作りは皆一緒ではなく、人によってとるべき栄養も違うように心もその人やその時々によって、必要なものは違うのよ。


だから今の状態を受け入れて、優しくぎゅっと抱きしめてあげるの。きっと大丈夫よ、って。


さなぎから蝶へと、今を精一杯生きて、自分を発見していけばいい。

急がないで。あなたは十分、進んでいるから。





著者 Luna

編集 Emiru Okada

グラフィック Momoka Ando

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