メンタルヘルスを向上させるための二つ目の鍵は「人間関係を選ぶこと」です。
自分を大切にしてくれる「太陽のような人」と一緒にいれば、心も温まり、少しずつ癒されていくでしょう。では太陽のような人とは、どのような人のことを指すのでしょうか?
自分の状態を受け入れ、尊重し、見守ってくれるような相手だと思います。
心の回復過程で、それまで交流があった人たちと時に距離が生まれてしまうのは、当たり前のことかもしれません。
人間関係を見直した時、その関係が自分の心の健康に、どちらかというと良くない影響を与えていると気がついたとしましょう。自分を大切にするために、その関係から少し離れてみた方がいい時もあるのです。
英語でよく使われる単語「toxic relationship」(有毒な関係)とは、一方または相互に精神的、感情的、身体的に負荷をかける関係のことを指します。では逆に、どのような関係を「無毒」または「健康」と呼べるのでしょうか?
それぞれが自身を大切にでき、かつお互いを尊重し合えるのであれば健全な関係性と言えるでしょう。矛盾するようですが、いざ有毒な関係から離れると、少し寂しいと感じることがあるかもしれません。機能していなかったのにも関わらず、修復したいという思いからそう感じてしまうのでしょう。
せっかく今まで築いた人間関係をふいにしてしまっているようで、罪悪感を覚えることもあるかもしれません。しかし、一見ネガティブに見えるその状況も、あなたの心が快適で健康でいられる場所を見つけるための、過程の一つだと考えてあげてください。
新しい関係は不安定に見えますが、実は長期的に見れば安定することがあるのです。自分の内側が変化していく過程で、自分を大切にするようになります。自分がどう選択をして、どのような環境にいたら幸せになれるのか、精一杯考えているのです。
心の状態は良い時も、悪い時もあると思います。そのようなあなたの姿を責めたり否定したりするのではなく、大切にしてくれる人を探しましょう。自分の状態を受け入れることで、楽になれると思います。そして、それがさらに次のステップ、つまり回復後の自分を創り上げていくことに繋がります。
あなたという存在は、本当に大切なものなのです。あなた自身を大切にしてください。そしてだからこそ、あなたを大切にしてくれる人たちと一緒にいましょう。
Bette Midlerが歌う「The Rose」 という曲の歌詞に次のような一節があります。
“Just remember in the winter
Far beneath the bitter snow
Lies the seed that with the sun's love
In the spring becomes the rose”
「覚えていて。冬に降り積もった深い雪の底で眠っていた種が、太陽の愛で、春になったら薔薇を咲かせることを」
自分のことをケアし続ければ、いつかあなたの人生の色が花のように鮮やかになる日が訪れます。自分という花を咲かせるその日まで、「太陽のような人」から光をいっぱい浴びて、エネルギーをもらってください。
著者 Luna
編集 岡田笑瑠
グラフィック 大野蓮