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  • Emiru Okada

I Love Myself シリーズ #4:『日本で自分らしいメイクをするのって難しいよね』って話


私のフルメイクデビューは高校の卒業式、18歳の時だった。自分でも遅いのは分かっているし、なんなら母に「もう高校生なんだし、メイクちょっとでもしたら?」と勧められたくらい。周りのクラスメイトが早く起きて、どれだけ肌を綺麗に見せれるか一生懸命になっている時、私は一分一秒でも長く寝ることに重きを置いていた。



大学に入ってからも講義にはスッピンにメガネで行っていたけれど、友達と出かける時はコンタクトにフルメイクをして気合を入れていた。そんな時、色々なメイク方法を知りたくてYouTubeや雑誌をみていると、「モテメイク」に関して書かれている企画を目にした。



「アイラインを太く・長く引きすぎない様に注意!跳ね上げすぎるとイカつい印象を与えてしまうから、目尻からちょっとでOK」

「アイシャドウは濃すぎると派手になっちゃうから、ふんわりしたピンク系を選ぼう!」

「つけまは派手になっちゃうから、まつ育を頑張って自まつ毛で勝負!」



何をもって「モテメイク」が成り立っているのかは不明だったけど、自分のしているメイクとは真逆だと言うことは分かった。アイラインはガッツリ引いて跳ね上げていて、アイシャドウは大体オレンジでキラキラしているし、仕上げのつけまつ毛は必ず上を向いていた。モテるためにメイクをしていた訳ではないけれど、自分の好きなメイク方法がどれも当てはまらないことは複雑だった。


調べれば調べるほど、私が好きなメイクは、日本で「ギャルメイク」と呼ばれるほど濃かったり、「デートにしていくメイクのNG」とされるものに当てはまっていた。自分の体型の時みたいに、またもや日本の基準に合っていないことを思い知らされているようだった。



そんな時、アメリカでFenty Beautyと言うコスメブランドが発表された。アーティストのリアーナが手掛けているブランドで、2017年創立時にコスメ業界では初の40色展開のファンデーションを発売した。その後発売されたファンデーションとコンシーラーは50色展開と、色の種類がさらに拡大された。


当たり前のように自分の肌に合ったファンデーションを買っていた私にとって、この発表は衝撃的だったのを覚えている。


「自分の肌の色のファンデーションがなかった人たちがいたの?今の時代に?」


そう疑問に思ったけど、日本のコスメ業界を見てみれば、インクルーシビティのかけらもないのは一目瞭然だった。


日本で代表的に売られているファンデーションの色は、どれもカラーバリエーションが少ない。数は多くても実際見てみると、圧倒的に色に幅がないのが分かる。たくさん種類があるのは明るめの商品だけだったり、アンダートーンが強かったり、色の種類に限りがあるため、日本で自分の肌の色にあったファンデーションを探すのは難しい、と思う人たちもいるのではないか。


海外のブランドなどを扱っている雑誌など、インターネットに掲載されているメイクページなどはどうだろう?


「憧れの美肌が叶う!」と言う見出しのページに、色の濃いファンデーションは写っていない。美しい肌とは、色白でなければいけないのか。


もちろん雑誌のターゲット層もあるかもしれないが、無意識に美肌と肌が白いことを結びつけてしまうような掲載の仕方はどうなものか。商品の成分によって年齢層が分かれるのは、仕方がないのかもしれない。だけど多様性が求められている今、インクルーシビティに欠ける商品開発・マーケティングは若い世代に影響を与えかねない。


他にも改善点は色々ある。

整えられていない自然な眉は「垢抜けない」と言われ、濃い目のメイクは「派手」と言われ「NGメイク」とされる条件が存在する。加えて大体のメイク特集などに載っている目元のアップは、二重が多い。現にティーン雑誌の一面では、一重の人達が二重にするべく、アイプチのやり方を学べるページがある。アイプチのやり過ぎは瞼の炎症やたるみに繋がったりリスクも多いけれど、その説明書きは見当たらない。掲載されているメイクを肌の色が濃い読者や一重の読者がしたい場合は、実際に見るのではなく、想像しなければいけないのだろうか?個々の顔のパーツに合うかもわからないメイクテクニックを、ティーン向け雑誌含む媒体に掲載するのはどうなのだろうか?


ファッションの様に、メイクもトレンドがコロコロと変わる。眉毛の形や細さ、メイクの仕方が流行によって変わる。その度に、「可愛い」の定義が変わるのはどうなのだろう。眉毛が細くても太くても、平行でもアーチでも、その人に似合っていれば可愛いじゃないか。肌の色が濃くても薄くても、季節やイベントに関わらず濃いめのリップを使ってもいいじゃないか。


多くの目に触れる雑誌だからこそ、トレンドは押し付けないでほしい。

誰でもメイクを楽しめるように、様々なジェンダーのモデルを起用して、色のバリエーションを増やしてほしい。

もっと多くの人が自信を持てるように、セルフラブに関する特集を組んでほしい。

ティーンでも大人でも、ありのままの自分を好きになれる様に、モデルを多様化してほしい。



『NGメイクなんて、くそくらえ。アイラインの勢いと角度は、自信の現れなんつってね』



他人や社会が求めてくる理想や、提示してくる基準なんてどうだっていい。

自分が自分に自信を持てて、心底愛せることの方が大事なのだから。

そんな想いを発信しながら、私は今日も自分の好きなメイクをする。


 

『I Love Myself』は…

日本がもっとインクルーシブ(包摂的)になるように。

誰もが自分の好きなように、自分に素直に生きれるように。

そして何よりも、ありのままの自分を愛せるように。

という様々な願いが込められているシリーズです。




著者 Emiru Okada

翻訳 Kana Miyazawa and Emiru Okada

グラフィック Claudia MacPhail

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