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  • Himawari Murano

強くも弱くもなく、まんまの自分で。


内容注意:自殺について書かれています。


仕事中、ふと携帯をみると訃報のニュースがやってきた。


ああ、なんで。


愕然とした。会ったことも、話したこともない、画面上では何度も目を合わせていたあなたは、自ら命を落とした。


起きてはいけないことが起きてしまった。


その日の帰り道は、涙は止まらなかった。

芸能人のこういった訃報はいつも胸が苦しくなるが、涙を流したことは今回が初めてだった。

朝起きても、気分は憂鬱なままだった。


原因は、この国で勇気を持って新たな形で力強く生きようとした先駆者であるあなたを批評していた、まだまだ新たな価値観に馴染めず、他人に自分の常識を押し付ける人たちなのか。それとも、そのような人たちが未だにこの国のマジョリティであり、令和になった今でも、自分らしさを主張して生きることが難しいものだと気付かされてしまった現状なのか。


訃報を知った直後、横にいた女性に思わず「彼、自殺したって」と伝えると、「まぁ、しょうがないですよね。子供まで産んであんな選択、自己中すぎますよ」と言った彼女に、心の中で声に出せない居心地の悪さを感じたからなのか。自分のうつ病だった時を思い出したからなのか。友人が自殺をした時の気持ちが蘇ったからなのか。他にもきっとあるだろう。その全てのモヤモヤは、私の心の中に言い表せない憤りを感じさせた。


数年前、突然友人は自ら命を絶った。「死のうと思えば、そんなすぐに人は死ぬんだ」、そう思い、それから死生観についての本を何冊も読んだ。死は身近だ。向き合うことは、時に恐れになる。私もそれまでは向き合ってこなかった。

そんな風に考えることを止め、あまりにも身近であることを忘れてしまっているから、誹謗中傷なんてことができてしまう人がこんなにいるのだろうか。


ああ、何をどう考えてもクソすぎる。こんな低レベルな価値観に脅かされる社会であってはならないよ。


「こんなことが令和でも起きてしまうなんて、いつになったらこの国は多様な価値観を受け入れられる様になるのだろうか」

そんなことを頭の中でぐるぐると考える。


そして、もう一つ感じること。

それは、TVやSNSでしか見ていなかったあなたに、これだけいろんな感情を感じている私の心は果たして、繊細すぎているのだろうか。会ったこともない人のことに対して涙が止まらなくて、眠れなくて、落ち込んでいる私は精神状態が不安定なのか。


身近な人と、この話を同じ熱量で会話ができていない。みんな人ごとのように会話をするから余計にモヤモヤを感じて、この気持ちを周囲と分かち合うことは出来ない。こういう、『もしかして私だけ?』という気持ちは時として、自分を生きづらくさせる。

でもそんなことを書きながらも、私は今日も普通の顔をして仕事へ向かう。そして、なんてことないことに笑って、会話をするだろう。


友人が亡くなった日も、飼っていたペットが亡くなった日も、痴漢をされた日もそんな風に会社に行った。でもそれは私だけではなく、きっと皆そうやって過ごした日々もあるのだと思う。そんな風に世の中は普通に回る。普通にみんな笑顔で挨拶をして、変わらずに仕事をする。変わらずに日常は続く。


だからこそ、

他人のことは、他人にしか分からない。

自分のことは、自分にしか分からない。


私たちには表面的な物事で何かを判断するのではなく、いろんな側面から物事をみて相手の裏側を想像する力がより必要に感じている。


私たちには他人や何かを否定する権利も、される権利もない。


今週は、自分にも周りにも優しくしようと思います。

私は母親っ娘なので、家に帰ったら母親にハグをしようと思います。

友達にも何か伝えようと思います。

誰かにケーキでも送ろうと思います。

少し疲れたら、なにもかも放っておいて好きなことを好きなまましようと思います。

そんな風に自由でいい。もっと、自分のことが好きでいいし、楽しいことを楽しいままに行動していい。嬉しいことは嬉しくていい。悲しいことは悲しいのだ。やりたいことはやっていい。自分のペースでいい。それに対して、誰かに何かを言われるかも、なんて引け目を感じる必要性は一切ない。

自分の思考を他人のなにかに脅かされる社会なんて、くそくらえだ。


『さぁ、今日も頑張ろう。強くも弱くもなく、まんまの自分で』

私の尊敬する、マダムの言葉です。

たくさんの勇気と柔らかさに敬意を。どうぞ安らかに。




日本のメンタルヘルス ホットライン


よりそいホットライン 0120-279-338

いのちの電話 0120-783-556

チャイルドライン 0120-99-777

子供のSOS 0120-0-78310




著者 村野向日葵

編集 岡田笑瑠

グラフィック 窪田麻耶

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