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  • Lara Franco

彼女のように. . .


他人と自分を比較したところで何の意味も無いし、時間の無駄だということは重々承知しているつもりでいるけれど、どうしても他人の人生が自分のものよりも良く見えてしまう時がある。例えば、経血で汚れてしまったショーツを手洗いしている時や、NetflixとYouTubeを往復しただけの一日の午後四時頃、すっぴんに眼鏡でパジャマ姿の自分を鏡で見た時、こんな時にはどうしようもなく自分が惨めに見えるし、そんな時にSNSを開こうものならたちまち劣等感に苛まれてしまうのだ。


インターネットには「他人と比較するのを止める方法」「自分を愛せるようになるには?」こんな記事が山ほど存在している。だけどスマホを見れば、(リアルかはさておき)他人の生活が覗ける––そんな時代に生きていて、上記のような記事を読んだところで「そんなこと言われても・・・」と正直微妙な反応をせざるを得ない。


私達は良くも悪くも他人に興味がありすぎるのかも知れない。誰がどこに行った、誰が何を着た、誰が何を成し遂げた、興味の矢印はいつだって他人に向いている気がする。

そんな私達に今必要なのはほんの少しのナルシズムなんじゃないかと思ったりする。


最近、90年代後半から00年代前半にかけてHBOで放送されていたアメリカの連続テレビドラマ『Sex and the City』(以下SATC) の続編、『And Just Like That. . .』の制作が公式に発表されて話題を呼んでいる。初放送から何年も経っているというのに、今でも多くの人々を魅了し続けている。チャーミングな4人の主人公達はSATCの魅力の一つだが、中でも私のお気に入りはSATCのセックスシンボル、サマンサ・ジョーンズだ。自分が大好きで他人には全く興味無し。彼女の興味の的はいつだって自分自身。そんな自己肯定感の塊のような彼女は、丸一日ネットフリックスを見ただけで自己嫌悪に陥るような私にとっては、ほとんど尊敬に値する存在なのだ。


みんながサマンサのようになればこの世の中は大変なことになるけれど、他人と自分を比較してネガティブな気持ちになりそうな時、自分の愛し方が分からない時に、彼女のようなマインドがあれば、(自分で書いていても少しばかけていると感じるけれど)自分の中にリトルサマンサが居れば、他人との比較がどれほど無意味なことか気付かせてくれるかも知れないし、新しいSelf-love(自己愛)の形を見つけることができるかも知れない。


ということで今回は、見ただけで自己肯定感を高めてくれそうなサマンサの言葉をピックアップしようと思う:

  • あなたを愛しているけど、自分のことをもっと愛している。

  • あなたにも社会にも口出しさせない。

  • 周りのビッチみんなが言うことを気にし始めたら、家から出ることなんて出来ない。

  • Hello my name is fabulous.



参考文献:

  • HBO 『Sex and the City』




グラフィック Emily Mogami

編集 Emiru Okada

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